« 1999年8月 | トップページ | 1999年10月 »

1999年9月

1999年9月 1日 (水)

Vol.5 『"スタートするときから、ゴールが"見えている"』

中谷さんと出した答えは、ひとつの仕事を進めるとき、スタートからフィニッシュラインまで すべての工程が「見えている」ことが大事だということです。全工程が「見えている」ことで、次に自分が打つべき手が見えてきます。また万一、失敗したときはリカバーが可能です。こうしたことの繰り返しから、ベストセラー、ミリオンセラーが何曲も生まれています。

(『プロデューサーは【次を作る】』 著者:小室哲哉 氏 中谷彰宏 氏
飛鳥新社 p.7 より引用)

 小室哲哉氏といえば、若い人の間では知らない人の方が珍しい程有名な音楽プロデューサー です。以前は自らがミュージシャンをやり、数年前からはアーティストの曲づくりやプロモーシ ョンをメインとして幅広い活躍をされています。ミリオンセラーを続出させ、常に話題の中心に 位置し、また音楽プロデューサーというそれまで裏方的イメージの強かった職業を花形にした立 役者です。

 この本はその小室氏とベストセラー作家の中谷氏が、仕事の仕方のコツについて語っており、 とても中身が濃いです。

 この本で、メインテーマとして彼が語っていることは、

 1.はじめからゴールを視覚的にイメージし、"見える"ようにする。

   それから実務に入る。

 2.本業だけでなく、周辺のことも情報収集および体験する。それにより、

   仕事の幅が広がったときでも、ちゃんと"見える"ようにする。

の2点です。どんな業界でも、一流の人の仕事の仕方には共通性があることが良く分かります。

 新しい分野の仕事をするときや経験のない仕事をするとき、どうしても不安になります。この 不安は、研究・調査し、疑似体験(できれば本当の体験)をすることで、かなり軽減されます。 小室氏は、音楽プロデューサーとして仕事をするために、作詞作曲はもちろん、アレンジ、セールスプロモーション、レコード会社のマーケティング会議、CDショップの店頭販売まで、時間の許す限りあらゆるところに顔を出すそうです。流通経路のすべての工程に顔を出すことで、消 費者志向の商品を生み出し続けることができるのだと思います。

 目的意識を明確にし、自分のアンテナを高めた上で、幅広い情報を収集することが大切だということが良く分かりますね。

|

Vol.5 『"モノ"より"人"への投資の方が効果が大きい。』

 お金の使い方ということが、企業経営においても私生活においても、ここ数年のテーマになっている気がします。なにせ調達が難しい訳ですから、「なるべく使わないように」という発 想になります。しかし、なんでもかんでも「使わない」訳にはいきません。例えば、小売店がチラ シ代を渋れば広告宣伝費が抑えられますが、それ以上に売上が落ちる恐れがあります。メーカーが 研究開発費をケチっていたら、近い将来存在価値が低くなると予想されます。サービス業が人件費 を削ろうと、首切りばかりやっていたら、そのうち雰囲気が悪くなり、お客様にそれが伝わり、や はり売上が下がるのではないでしょうか。

 一般的には、「形が見えないもの」への投資より、「形が見えるもの」への投資の方がしやすいと 思います。客観的に「金額」で価値がわかるモノは判断し易いのですが、難しいのは客観的な価値 が見えにくく、本人の「主観」で判断するしかないモノの場合です。その中でも「人」への投資は特 に難しくもあり、しかしうまくいけば期待以上の成果を生み出すこともあります。

 昔、あるレストランのアルバイト採用面接で、1人の学生が面接に来ました。彼はそれなりの経験があり、自分なりの接客ビジョンを持っていました。オーナーは「この人はデキそうだ!」と感じ、本来850円の時給を、「時給1,000円支払うから、この店のお客様に喜んで頂ける精一杯の接客をやって欲しい」と言いました。その当時、時給1,000円も払ってくれるレストランはそうはありませんでした。その学生はとても意気に感じ、オーナーの期待に応えようとあれこれ工夫しました。接客時にちょっとした一言を添えることでお客様に好かれ、高単価の商品の魅力をきちんと伝え、かならず食後のデザートを受注することで、客単価の上昇に貢献しました。

 時給が850円から1,000円に上がることは、大きなことのようですが、1日5時間働いた として、1日わずか750円の負担増です。しかし、それによって本人の意欲が掻き立てられて1 日で750円以上の利益を生み出すことができるなら、その方が会社にとってはプラスです。これ も1つの投資だと思います。人には「感情(信頼に応えたい、認められたいなどの)」があるので このような投資が可能ですが、機械などのモノには感情はありませんから当てはまりません。

 「人」への投資はできていますか?

|

« 1999年8月 | トップページ | 1999年10月 »